サンダー・ジャンクションで登場した腐食の荒馬、かつて闇の腹心という似たような効果を持ったクリーチャーが猛威を振るっていた時代がありました。
闇の腹心
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上のカードを1枚公開し、そのカードをあなたの手札に加える。あなたは、そのマナ総量に等しい点数のライフを失う。
低コストスペルで組まれたアグロデッキや、強力な低コストだらけのモダンやレガシーなどの環境でも使われてたぐらいの強カードでした。
若干能力は違うものの、腐食の荒馬は闇の腹心の強化リメイク版と言っていいカードなのだ。
闇の腹心は能力が強制だったためにこれで敗北することもありましたね。
腐食の荒馬の能力を改めて確認
攻撃するたびに、ライブラリーのトップのカードを1枚公開して手札に加える。この時に腐食の荒馬に騎乗していないとその公開したカードのマナコスト分のダメージを受けてしまう。
ただし、騎乗することでそのダメージを各対戦相手に与えることができる。
(多人数戦も考慮してか、全ての対戦相手にダメージを与えられる)
騎乗して殴ればカード1枚手に入って対戦相手にダメージも与えられる。
「こんな大盤振る舞いして良いんですか!?」
と思われるでしょうが実際はそう上手くはいきません。
序盤に騎乗3で殴るのはなかなか難しく、クリーチャーもタップさせなければならない。
2/2というパワータフネスも非常に脆いので考えなければなりません。
果たして、この荒馬を乗りこなせるカラーのデッキはどれなんだ。
しかし、この馬と蛇の合体生物はシミック連合が好きそうな生物だ。
*シミック連合:ラヴニカのギルドの1つ。生物研究が大好きで日々キメラを作り出してるヤバイやつら。彼らはそれを進化だと言い張ってる。
ゴルガリミッドレンジ
サンプルデッキ
クリーチャー(22) 4 腐食の荒馬 4 苔森の戦慄騎士 1 懲罰者、ケアヴェク 3 分派の説教者 2 温厚な襞背 3 グリッサ・サンスレイヤー 2 敵意ある調査員 2 黙示録、シェオルドレッド 1 貪欲な乗りもの、ギトラグ インスタント/ソーサリー(10) 2 切り崩し 3 強迫 4 喉首狙い 1 ギックスの命令 | プレインズウォーカー(2) 2 ヴェールのリリアナ 土地(26) 3 沼 1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 1 耐え抜くもの、母聖樹 1 森 4 花盛りの湿地 4 死天狗茸の林間地 4 ラノワールの荒原 4 眠らずの小屋 2 魂の洞窟 2 廃墟の地 | サイドボード 2 羅利骨灰 2 未認可霊柩車 3 危難の道 1 強迫 1 切り崩し 2 ヴェールのリリアナ 1 温厚な襞背 1 一巻の終わり 1 ギックスの命令 1 向上した精霊信者、ニッサ |
現状、もっとも活用してるのがゴルガリミッドレンジだと思います。
基本的にパワー3以上のクリーチャーが多く、苔森の戦慄騎士は2マナで3/2と相性が良い。
個々のクリーチャー性能が高く、積極的に攻めに行くゴルガリミッドレンジとの組み合わせは悪くないでしょう。
マナコストも2~3マナが多いので、騎乗無しで殴りに行きやすいのも良いです。
一応、ライフ回復手段もありますし。
黒単アグロ(ミッドレンジ)
サンプルデッキ
クリーチャー(22) 1 すりのチビホネ 4 腐食の荒馬 4 大洞窟のコウモリ 2 ヨーグモスの法務官、ギックス 2 懲罰者、ケアヴェク 1 下水王、駆け抜け候 2 ドロスの魔神 2 敵意ある調査員 3 黙示録、シェオルドレッド 1 深淵の裏切り、アクロゾズ インスタント/ソーサリー(12) 3 切り崩し 3 強迫 3 喉首狙い 2 長い別れ 1 ギックスの命令 | プレインズウォーカー(2) 2 ヴェールのリリアナ 土地(24) 21 沼 1 廃墟の地 1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 1 ミレックス | サイドボード 1 ヴェールのリリアナ 3 危難の道 2 未認可霊柩車 1 強迫 2 倦怠の宝珠 2 ぎらつく氾濫 2 ファイレクシアの闘技場 2 石の脳 |
シンプルに黒単で使うのも良いでしょう。
大洞窟のコウモリやメインから強迫を採用、荒馬の脅威となる除去を抜いてしまいます。
ここにヴェールのリリアナも加えて相手の手札を落としつつ自分は荒馬でアドバンテージを得る。
もちろん騎乗しようがしまいが殴りにいき、場合によっては自分が大量にライフを失ってしまうというなんとも黒単らしい戦い方ができます
黒単色だけですと対応力は低くなってしまいますが、そこはアドバンテージを得られるカードのゴリ押しでなんとかゲームを進めていきたいです。
白黒ミッドレンジ
サンプルデッキ
クリーチャー(22) 2 離反ダニ、スクレルヴ 2 ラフィーンの密通者 4 腐食の荒馬 2 しつこい負け犬 4 黙示録、シェオルドレッド 4 鋼の熾天使 4 ファイレクシアの肉体喰い 2 終末の影 インスタント/ソーサリー(12) 3 切り崩し 4 限りない強欲 3 喉首狙い 2 軍勢を灰に | プレインズウォーカー(2) 2 ヴェールのリリアナ 土地(24) 5 沼 1 平地 1 皇国の地永岩城 1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 4 コイロスの洞窟 2 眠らずの城塞 4 砕かれた聖域 4 秘密の中庭 2 薄暗い裏通り | サイドボード 4 強迫 2 倦怠の宝珠 1 クチルの側衛 2 危難の道 1 軍勢を灰に 2 未認可霊柩車 1 ゴバカーンへの侵攻 2 石の脳 |
2024年4月プロツアーにてオルゾフ・ブロンコという名で使用していた人が2名いました。
(ブロンコは腐食の荒馬/Caustic Broncoの英語名から取られてます)
このデッキにはなんと言っても脅威のマナコスト15の終末の影が採用されています。
騎乗してこれが捲れた日には脅威の15点ダメージ、もし騎乗せず捲れてしまえば自分が15点ダメージを受けてしまうというとんでもないデッキです。それだけでなくともファイレクシアの肉体喰らいや鋼の熾天使とマナコストの大きいカードが採用されているため、騎乗せず積極的に殴りに行くとデメリットのほうが上回る場合があります。
このデッキには限りない強欲が採用されているので、油断しているとこのカードでトップに終末の影を置かれて15点ダメージコンボが完成します。
荒馬をサポートするカードとして鋼の熾天使がいます。これがいれば、荒馬に騎乗して飛行を持たせることでブロックされない可能性が出てきます。
それ以外にも限りない強欲とシェオルドレッドのコンボです。限りない強欲の3枚ドロー3点ライフロスは対戦相手も対象にすることができます。シェオルドレッドがいれば3枚ドローで6点ダメージ、3点ライフロスと合わせて9点ダメージのコンボです。
好み的な話しになりますが、僕は終末の影ではなく替わりに逃走のまやかしを入れて肉体喰らいや熾天使をブリンクさせても良いんじゃないかと考えてます。色々な戦いのプランを変えられるのはちょっと面白いかなと思います。
上記3種類のデッキで実際にプレイした感想
ゴルガリミッドレンジ:
個々のカードパワーの高さも相まって非常に相性が良いと感じます。
ライフは失いはするも、序盤はアドバンテージ源として攻撃しても中盤以降には全然巻き返せるのでむしろ積極的に攻撃するべきでしょう。
騎乗は場合によってはダメージを落としてしまうだけの可能性があるため、騎乗するかしないかの判断は難しいと思います。
黒単アグロ:
ゴルガリミッドレンジほどではありませんが、黒のカードも個々のパワーは高いほうです。
相手の手札に介入して、妨害手段などを排除してから攻撃できればかなり有利に戦況が進みます。
「ヨーグモスの法務官、ギックス」「懲罰者、ケアヴェク」もアドバンテージを得られる強力なカードです。問題があるとすれば、単色なのでサイドボードで選択できる対抗手段が少ないということでしょうか。
白黒ミッドレンジ:
正直言うとかなりピーキーに感じます。腐食の荒馬と終末の影のコンボは非常に強力ではありますが、もし終末の影を引いてしまったら、騎乗してない荒馬で攻撃して捲ってしまったらと考えると厳しいと思いました。それだけでなく、ファイレクシアの肉体喰らいや鋼の熾天使もマナコストが大きいのでこのデッキはそもそも騎乗を前提して作られてる感があります。
僕個人としては終末の影よりも逃走のまやかしで肉体喰らいや熾天使させるほうが安定するような気がします。
ライフロスを恐れず攻撃するべし
ライフが減るのを恐れて攻撃しないのでは腐食の荒馬を乗りこなすことはできません。
殴れる状況であるなら騎乗を待たず攻撃しましょう。そして後は祈りましょう。
黒にとってライフを捧げることは大変喜ばしいことなのです。
さぁ、騎乗せず攻撃だ!→終末の影
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